夏日が増え、孤独死が増えないか心配しているライフケアコーポレーションの南山です。
大体の孤独死現場は精神乱れることなく担当してきましたが、今回は死者の顔が分かってしまった現場について紹介します。
枕に顔を押し付けたかのように、顔の跡が残っていたのです…。
抜けた髪の毛と、枕には鼻と口、タオルケットには目でしょうか。(同僚は「気のせいだ」と言いますが…)
どんな写真かは、自己責任でお願いいたします。
(これを見た時「ジョジョ5部で読んだデスマスクだ」と思ってしまいました。分かる人だけ分かってください)
遺体は特殊清掃前に警察が担当してくれるため目にすることはありませんが、死者の顔が分かると少し気分が悪くなってきました。
孤独死現場の独特なにおい(腐った魚を焼いたようなにおい?)も理由の1つですが、なぜそう感じるのでしょう?
見たことのない世界に恐怖を覚えるから?
死と向き合わざるを得ないから?
自分も同じように溶けて無くなるような感覚に襲われるから?
もし相手が好きな人で同じ状況になったとしたら、その姿を直視できるでしょうか?
何かを新たに得られる確証がなく、失うことだけは確実なことに、人は恐れるのだと思います。
だから、死ぬ前に何かを残したくなるのでしょうね。
さて、作業に入ります。
亡くなったと思われる布団をめくると、やはり体液が床下まで染み込んでいました。
死後かなりの日数が経ったと思われるため、蛆が黒く固くなったのが何匹も見受けられます。
初日はまず、においの根本を急いで取り除きましょう。
体液まみれの布団等はすぐに袋に入れて二重三重に縛ります。
染み込んだ床にはひとまず薬剤を撒き、その後、床を大きく剥がして、これも二重三重にしておきます。
床の下はそこまで染み込んではいなかったようでした。
体液を袋詰めにしたら、遺品整理に入ります。
残念ながら遺品にもにおいがついて発生源になっているかもしれません。
とは言っても、物自体はかなり少なめでしたので作業は比較的すぐに終わりました。
大抵はゴミ屋敷化していて大変なのですが、身内の関係で残す物は特になく、貴重品以外はほぼ処分して次の作業へ。
広いスペースも確保できたので、においがついている壁紙をひたすら剥がします。
壁はもちろん、天井も行うのですが、これが思ったより時間がかかってしまいました。
でもこれもにおいの元ですので、取れるだけ取らないと効果的な消臭ができません。
壁紙はこれくらい出てきます。
広い2部屋と玄関とトイレ、全て剥がしました。
布団、床、遺品、壁紙は、事前に札幌市環境事業公社さんに連絡し、日程を決めて持って行ってもらいます。
分別せず、ゴミの日も気にせず、まとめて収集してくれるのは札幌市ではここだけです。(電池やスプレー缶などの危険物は別)
数日後、見た目だけならかなりすっきりした状態になりました。
「テレビ、冷蔵庫(冷凍庫含む)、洗濯機(衣類乾燥機含む)、エアコン」(家電4品目)は家電リサイクル法により販売店が引き取って、家電メーカーがリサイクルする仕組みになっているため、これらは後で販売店に運んでいきます。
実は、冷蔵庫の中はまだ手を付けていません…。
今回はまだ電気が通っている状態でしたので良いのですが、止まっていた場合は生ものを長時間放置していることになるため、もう1つ孤独死部屋ができているのと同じことに…。
本格的な消臭作業開始です。
消臭すべき原因は減らしたため、薬剤が残りの部分にうまく作用してくれます。
床下は念入りにやっておきました。
魔境である冷蔵庫の中に手を付けます。
アルコール度数9%のお酒が大量に出てきました。
ゴミ捨ての時に近所の人からたまたま話しかけられたのですが、亡くなった方はコンビニでお酒24缶1箱を一生懸命徒歩で持って帰り、時々地面に下ろしながら運ぶ姿が部屋から見えていたそうです。
500mlなら12kgですね…そこまで執着する原動力は何だったのでしょうか?
あとは「最近新しい自転車を買った」とも言っていた、とのことです。
このあと死んでしまうことになるとは想像もしていなかったに違いありません。(お酒はほどほどが良いですね)
最後にオゾン発生器で締めくくります。
これだけのことを徹底してやらないと、消臭にはなりません。
依頼者は初めてのことで不安もあったようですが、結果に満足していただけました!
他にもいくつか事例がありますので、また御紹介できればと思います。
孤独死案件の依頼は当然初めての方がほとんどなため、どなたにでも安心していただけるような作業を心がけております。
遺品整理だけ・生前整理だけ・消臭だけ等、単独の依頼も可能です。
ライフケアコーポレーション0120-918-696へお電話か、お問い合わせのページまで是非ご連絡ください。