ライフケアコーポレーションの谷です。
今回は、ご不幸にも火災にあわれたお宅での作業について、少しお話ししたいと思います
。
火災の原因にはいろいろあります。
調理中の油の発火やコンロの消し忘れが多いのですが、ストーブの近くに置かれた可燃物、タバコの不始末、電気配線の劣化によるショートなど、日常の中に火災のきっかけは潜んでいます。
火が消え、消防の調査や安全確認がすべて終わったあと、ようやく私どもの作業が始まります。
「火が消えたなら、あとは片付けるだけ」と思われることもありますが、実際にはここからが本番です。
焦げた臭い、建材にこびりついた煤、熱で変形した部分、そして持ち主さまの不安なお気持ち──それら一つひとつに向き合いながら進めていきます。
■ 現場に入る前の“二次安全確認”
消防の方が確認を終えていても、私たち業者としてもう一度しっかり安全を確かめます。
・床が抜けそうになっていないか
・天井材が落ちる危険はないか
・電気設備が損傷していないか
・有害物質が残っていないか
火災後の建物は、見た目以上に弱っていることが多いので慎重に判断します。
作業員の安全を守るため、防護服や防毒マスクを着用し、無理のない動線を確保してから作業に入ります。
■ 最初に向き合う“煤(すす)”と“焦げ臭さ”
現場に入ると、まず驚くのが煤の量と臭いの強さです。
壁や天井、床、家具、家電、窓枠、配管の隙間まで、あらゆる場所に煤が入り込んでいます。
● 煤取り作業は「上から下へ」
天井 → 壁 → 床の順で進めることで、効率よく確実に煤を落とすことができます。
● 臭いは“表面だけ”では取れません
焦げ臭さは建材の内部まで入り込んでいるため、
・オゾン脱臭
・薬剤による分解消臭
・必要に応じた部分解体
などを組み合わせて、少しずつ軽減していきます。
特に断熱材や壁の裏側に入り込んだ臭いはしつこく、表面がきれいになっても後から戻ってくることがあります。
どこまで解体するかの判断には、経験と現場の見極めが欠かせません。
■ 持ち主さまの“残したいもの”に寄り添う
火災後の現場には、煤で黒くなった思い出の品や、変形した家具が残っています。
持ち主さまは、
「これは残せるのか」
「処分するしかないのか」
と、とても不安な気持ちでいらっしゃいます。
私たちが大切にしているのは、
・残せる可能性があるものは丁寧に煤を落としてみる
・難しい場合は理由をしっかりお伝えする
・作業の様子を写真で記録し、後から確認できるようにする
突然の火災で心の整理が追いつかない方も多いため、説明や声かけは特に丁寧に行っています。
■ 保険会社との連携も大切な仕事
火災保険の適用範囲はケースによって違います。
そのため、
・被害状況の写真
・作業前後の記録
・必要な工程の説明
をしっかり整え、持ち主さまの負担が少しでも軽くなるようにしています。
煤取り作業だけでなく、生活を立て直すためのサポートも大切な役割です。
■ 業者としての苦労と、それでも続ける理由
火災現場は、臭い・煤・熱で変形した建材など、体力的にも精神的にも負担の大きい現場です。
特に北海道の冬は、換気しながらの作業がとても冷えます。
それでも作業が終わったあとに、
「ここまで戻るとは思わなかった」
「また住める希望が持てました」
とお言葉をいただくと、この仕事を続けていて良かったと心から思います。
■ おわりに
消防の対処が終わってから始まる煤取り作業と消臭は、専門的な知識と経験、そして持ち主さまのお気持ちに寄り添う姿勢が欠かせません。
大変な現場も多いですが、誰かの再スタートを支える大切な仕事だと感じています。